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米国・カナダの太陽光利用型植物工場の市場規模&普及面積

米国の太陽光利用型植物工場「536ha」

United States Department of Agriculture(USDA)の統計データによると、米国の太陽光利用型植物工場の施設面積は「536ha」となっており、簡易的な施設栽培にまで対象を広げても「1万ha」を超えない程度と推計されています。

例えば、太陽光利用型植物工場のトップリーダーとされるオランダでは、日本の九州と同じくらいの国土面積しかありませんが、施設園芸の面積は約1万ha、そのうち太陽光利用型植物工場に分類されるのは、少なくとも80~85%以上と推計されています。

 

しかし、米国はトマトをはじめとする園芸作物の一大消費国です。

米国・国内の栽培方式は大規模・露地栽培(加工用)が中心であり、高品質野菜を狙った植物工場の生産拠点は、カナダやメキシコが多く、現地にて生産した野菜をアメリカ国内に輸入しているケースが圧倒的に多いです。

近年では、米国内にて出稼ぎ労働者の確保が難しくなっており、米国企業がメキシコの高原エリアに現地子会社を設立し、大規模な植物工場による生食用トマトの生産に乗り出しております。

将来的には、メキシコが植物工場の生産拠点になる可能性もありますが、現状では、カナダも生産拠点の一つとして、多くの施設が稼働しています。

 

カナダの太陽光利用型植物工場「1,335ha」

カナダにて稼働施設数が最も多いエリアは、オンタリオ州となっており、その他には、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)にも大型施設が集中しています。

主に、カナダ国内市場向けに小規模な植物工場を運営し、野菜の生産・販売を行っている施設は全国各地に点在しておりますが、米国市場をターゲットにした大型施設は、以下の2点により、アメリカ国境沿いの州に集中しています。

  • 地理的な優位性
    • アメリカ本土へ輸出しやすい
  • カナダ国内の大都市が集中
    • 一部の野菜は国内向けに販売。バンクーバー等の大都市は、健康・環境意識の高い消費者が多く存在するため

例えば、ブリティッシュ・コロンビア州(BC)では、60カ所の植物工場施設(太陽光のみ)が稼働しており、その規模は最も小さい施設で約8,000m2から、最大で44haとなっています。

BC州だけの植物工場面積は305haとなっており、カナダ国内全体における植物工場面積は合計で1,335haと推計されております。

北米・米国エリアの植物工場。市場規模や普及面積は?

※ 写真: 北海道カナダ協会より引用

 

植物工場による野菜の産出額・市場規模は1,568億円

カナダの植物工場にて生産した野菜は、国内だけでなく、米国を最大のマーケットとしながら、世界各国へ輸出を行っており、その市場規模は1,568億円と推計されております。

なお、複合環境制御システムを導入した太陽光利用型植物工場の設備投資額は、平均で1haあたり250万ドル(約3億円)となっており、オランダ国内にて流通している設備投資額と、ほぼ同額程度となっております。

  • カナダは早い段階から、オランダと同レベルのハイテク化が進み、米国向けに野菜を生産・輸出
  • メキシコによる施設園芸・植物工場の面積が拡大中(近年)
    • メキシコの発展は最近のことであり、オランダやイスラエルの企業が進出し、一部では植物工場を稼働させているものの、その大部分はハイテク化されておらず、簡易的な施設栽培となっています。

上記のような現状から、カナダの植物工場面積は今後、一定か微減すると予測されていますが、現時点ではメキシコよりも高い技術レベルを持つカナダ企業が、最近では積極的な投資、ビジネス展開を行っています。

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カナダ企業による米国進出

カナダに本社を置くパプリカ・トマトの生産・販売を行うサンセレクト社では、生産拠点を米国カリフォルニア州に整備し、巨大な太陽光利用型植物工場を稼働させ、環境に配慮したトマト、パプリカを生産しています。

カリフォルニアでは環境・健康意識の高い消費者が多く集まっています。同社のカリフォルニア州にある施設で収穫された商品は、地元のスーパー・レストランまで48時間以内には届けることが可能で、現地の消費者からも支持されているようです。

米国・カナダの太陽光利用型植物工場の市場規模、普及面積について

  • 機能性フィルムを採用=長期保存、食品ロス25%を削減
  • バイオマス発電にて発生するCO2の再利用。トリジェネ;ガスエンジン等からの発電された電力+廃熱(暖房などに利用)+廃熱(CO2を植物に再利用)を採用

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カナダ国内市場ニーズの高まり

カナダのバンクーバー周辺エリアを含むメトロ・バンクーバーでは、2015年に食品廃棄の回収作業を自治体(委託業者)が実施しなくなり、レストラン側によって全てを処理・リサイクルを行うことになっています

例えば、地元レストランLuke’s Corner Bar and Kitchenでは、廃棄物処理のために月600ドルを費やしていましたが、大部分を堆肥化・リサイクルに回すことで、月200ドルにまで経費を抑えることに成功しております。

バンクーバーをはじめとするカナダの大都市では、食品廃棄物のリサイクル義務化がスタートすることで、消費者だけでなく外食レストラン側も、地産地消や食品ロス削減を進めています。

カナダ国内では今後、大量に野菜を生産する必要はありませんが、植物工場やアクアポニクス、一部では露地栽培による都市型農業が増えてくることは間違いないでしょう。

例えば、完全人工光型植物工場の事例(ケータリング会社)、Lufa Farmsのように屋上に太陽光利用型植物工場を建設する事例、露地栽培ではあるが小売店舗に屋上ファームを整備することで、グリーンビルディング認証「LEED」のゴールドランクを獲得・サステイナブルな建築として評価を受けている事例など、カナダでも都市型農業事例が増えています。

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※ 統計データについて: Agriculture and Agri-Food Canada (AAFC)、現地・植物工場運営企業による調査データ、United States Department of Agriculture(USDA)の統計データを基に弊社が整理しております。


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